何となく俺には恐ろしい

「何となく俺には恐ろしい。碩寿翁様が相手だからな」「と云ってうっちゃっては置かれないよ。……ここまで尾行《つけ》て来た甲斐《かい》だってないよ」「それにしてもどういうお考えから、碩寿翁様には飛騨などという、こんな山国へ来られたのだろう?」「私達には関係《かかわり》はないよ。……襖をあけて覗いて...

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他の旅籠屋へつけようとする

 ――他の旅籠屋へつけようとする。と、どうだろう、碩寿翁自身が、駕籠の中から云うではないか。「これこれ駕籠屋どうしたものだ。先へ行く駕籠の入った旅籠へ、すぐこの駕籠をつけてくれ」 同じ旅籠屋へ泊まるのであった。 こうして道中をしているうちに、長崎へは行かずに飛騨の山中の、萩村の柏屋へ来たのであ...

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真に美しい鯖《さば》色の光

 取り出したのは小箱であったが、真に美しい鯖《さば》色の光が、小箱の中から射るように射して、部屋を瞬間に輝やかした。 小箱の中を覗いている、老武士の顔の嬉しそうなことは! この老武士は何者であろう? 他ならぬ松平|碩寿翁《せきじゅおう》であった。 それにしても何のためにこのような所へ、碩寿翁...

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