絶えず居場所を眩ませていた

 覚明は容易に人に逢わず、絶えず居場所を眩ませていた。時あって姿を現わす時には、十数人の侍者に周囲を守らせ、威厳をもって現われた。 そうして茅野雄に対しても、伯父甥として対しようとはしないで、一宗の祖師が一介の信者へ対するような態度で対した。 で、茅野雄はある時のこと、浪江に向かって問いを発した...

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辻褄《つじつま》の合わないところ

 辻褄《つじつま》の合わないところはあったが、しかし確かに丹生川平のために、働いたことは事実だったので、誰もが一応受け入れて、弦四郎をして依然として、丹生川平のこの別天地へ、住ませることにしたのであった。 丹生川平へやって来て、茅野雄が驚いたことと云えば、決して一つや二つではなかった。 従妹《い...

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別天地

 四方を森林に囲まれているので、丹生川平《にゅうがわだいら》は丘の上にあったが、極めて陰気に眺められた。 切り株に腰をかけながら、話している若い男女があった。「あなたには大分変わられましたな。昔より陰気になられたようで」「……でもあなたがおいでくださいまして、陽気になりましてございます。……あ...

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